地盤調査の結果:地盤改良が必要になる目安
安心な住まいを建てる場所の地面(地盤)が、建物をしっかり支えられる強さがあるかを調べるのが地盤調査です。地盤調査で「地盤が弱い」とわかった場合に、安全のために地盤改良が必要になります。
地盤改良を検討する、主な4つのサインは以下の通りです。
1. N値(エヌ値)が小さい 、 土がやわらかすぎる
- N値とは?
- 土の硬さを示す数値で、数字が大きいほど硬い地盤です。
- 目安:
- 木造住宅の場合、一般的に粘土質の地盤で「N値 3未満」、砂質の地盤で「N値 5未満」だと、地盤が弱い可能性が高く、地盤改良工事が必要な場合が多いです。
2. 埋立地や盛り土だった場所
- もともと川、沼地、田んぼなどを埋め立てた土地は、土に水分が多く含まれていてやわらかいことが多いです。
- 地震の際に、土が水のようにゆるくなる液状化(えきじょうか)の危険性も高くなるため、地盤改良工事が必要となるケースが多いです。
3. 新規造成地や切土・盛土を行った宅地
これらの場所は、造成工事の方法や経過によって地盤の強さが大きく変わるため、特に詳細な地盤調査と地盤改良の検討が必要です。
新たに土地を整備した新規造成地や、斜面を削った切土(きりど)、土を積み上げた盛土(もりど)の場所は、注意が必要です。
盛土部分:締め固めが不十分だと、土が不安定で沈下しやすくなります。
切土部分:地中の固い層に影響を与えて、地盤が不安定になっている場合があります。
- 地面の中の地下水が浅いところにあると、埋立地と同様に液状化の危険が高まります。
- 特に新規で擁壁等を構築した場合は、埋め戻し土が緩くなり、沈下の可能性が高まります。
4. 過去に陥没や不同沈下(ふどうちんか)の履歴がある
- 過去に地面が陥没したり、家が傾いたり(不同沈下)したことがある場所は、土の支持力(建物を支える力)が不安定です。
- この場合も、建物を安全に支えるために地盤改良工事を検討します。
💡 地盤改良って何をするの?
地盤改良が必要と判断されたら、建物の重さを安全に支えられるように地盤を強くします。
主な工法には、
- 表層改良:地表から浅い部分(0.5~1.0m以深)の土にセメント系固化材を混ぜて固める工法。
- 柱状改良:地面の深いところ(1.5~8.0m程度)まで、セメント系固化材を現状土を混ぜて柱を構築する工法。
- 小口径鋼管杭:鋼鉄製の杭を、支持地盤(硬い層)まで打ち込む工法
などがあり、土地の状況に応じて最適な方法が選ばれます。
📢 まとめ:最終判断は専門家に相談を!
地盤調査の結果、「N値が低い」「埋立地」「液状化リスク」などのサインがあっても、地盤によって最適な対策は異なります。
気になる点があれば、専門の会社に相談し、適切な対策を行うことで、安心できる家づくりを進めましょう。


